「高島屋免税店SHILLA&ANA」開設に伴いAlibaba Cloudを採用
不安に思っていることを、浅尾さんも中国支社の譚(タン)さんも答えてくださって、しかも、そこに行き違いが全くない状況で進んでいくので、とても信頼できました。
株式会社エー・ティ・エー
プランニング室
プランニングディレクター
矢和田 崇子氏(写真左)
株式会社エー・ティ・エー様は、株式会社高島屋の広告宣伝活動事業を行う100%出資の子会社です。この度は、インバウンドの免税事業開始に伴い開設した中国本土向けのストアサイト「高島屋免税店SHILLA&ANA」に、中国のアリババが提供するクラウドサービス「Alibaba Cloud」とスカイアーチの『マネージドサービス』を導入いただきました。その経緯と効果について同社、プランニング室 プランニングディレクターの矢和田 崇子氏にお話をお伺いいたしました。
株式会社エー・ティ・エー
- 所在地:〒103-0027 東京都中央区日本橋1-1-1
- 設立:1985年
- 資本金:80百万円
- 事業概要:マーケティング事業、広告企画制作事業、Webサイト企画制作事業、媒体事業、イベント・セールスプロモーション事業、ショッピングセンター販促事業、商業環境開発事業、装飾事業、通信販売企画・制作事業
- URL:https://www.ata.co.jp/
導入ポイント
- 主たるターゲットとしている中国で一番支持されているAlibaba Cloudを採用
- 中国と日本の連携でスピード対応
- 「ICPライセンス」取得サポートでクライアントへの説明も容易に
エー・ティ・エー様について
事業内容について教えてください。
もともとは高島屋の宣伝部がやっていた制作・代理業が分社化されました。半分が高島屋関連の仕事で、もう半分が外部クライアントの仕事となっています。プロモーションやブランディングをワンストップで提供出来ることが、弊社の強みです。
利用状況
ストアサイト「高島屋免税店SHILLA&ANA」をAlibaba Cloudで運用
『マネージドサービス』の利用状況を教えてください。
2016年6月に高島屋が免税事業会社として、A&S高島屋デューティーフリー株式会社という、株式会社高島屋・全日空商事株式会社・株式会社ホテル新羅3社の合弁会社を新しく設立しました。弊社は、設立時の企業ブランディングの段階から担当事業部と準備を進めてきました。新事業をはじめる上で、ストアサイトが必要だという話になり、コンペ形式で受託したのが、ストアサイト「高島屋免税店SHILLA&ANA」です。
コンペの相手は数社あり、各社インフラはAWSで提案していました。競合は、システムの専門会社やインターネットサービスの専門会社などで、弊社は広告代理店なので昔からお付き合いのあった大手の協力会社さんにお手伝いいただきながらの提案でした。
最初は弊社もAWSでの提案を検討しましたが、中国での配信にあたってグレート・ファイアウォール 等の課題が浮上しました。物理サーバーを置く方向で進めてみましたが、「ICPライセンス 」の取得など、確認作業に時間がかかり、短期で走って立ち上げなくてはいけないものに対して、スピードが間に合っていませんでした。最終的に、こちらのリクエストにお応えいただくのが難しいことが判明し、至急新たな協力会社を探さなくてはいけない状況になり、藁にもすがる気持ちで、IT企業に勤めている知人に相談して、紹介していただいたのがスカイアーチさんでした。
- グレート・ファイアウォールは、中国において実施されているインターネット情報検閲システムです。
- ICP(Internet Contents Provider)ライセンスは、中国でのWebサイト公開に登録が義務付けられているWebサイトの審査制度です。
選定理由
ターゲットとしている中国で一番支持されているAlibaba Cloudを採用
スカイアーチを採用した理由について教えてください。
ご縁があってたまたまではあるのですが、スカイアーチの営業担当の浅尾さんとスカイアーチの中国支社の譚さんと話をして、信頼感が持てたことが大きいと思います。ITのインフラは、私にとっては未知でブラックボックスの世界になりがちですが、目の前で課題や疑問を全て解決してくれました。また、オンライン会議で中国支社の方と話しているところに私たちも同席し、技術的なところもすぐに確認してフィードバックして下さったので、この人たちが頑張れれば、私たちも頑張れるのではないかと思えました。
高島屋が新会社を作ると決定した時は、インバウンド市場が凄く伸びていた時期でした。しかし、免税店をオープンすると発表した直後に、中国側の関税の引き上げにより市場が横ばいになり、現在では観光客の流入は増えているのに小売業でのインバウンド需要は停滞しています。そんな状況下でも、高島屋が堅調に推移しているのは、変化に対応するスピード感があるからだと思っています。
クライアントが持っている課題スピードに対して、自分たちもスピード感を持って対応していかなくてはいけない状況下で、一からお取引先を選び直し、遅れを取り戻さなくてはいけないという緊張感のあるプロジェクトでした。スカイアーチさんに相談して、中国支社と連携してスピーディー且つ丁寧な対応で、なんとか間に合わせることができ、有難い限りです。
Alibaba Cloudを採用した理由を教えてください。
Alibaba Cloudは浅尾さんに紹介されるまで知りませんでした。AWSという選択肢もありましたが、中国支社の譚さんから、中国本土でのシェア率を考えた時にAlibaba Cloudの方がAWSより先行しており、スカイアーチさんもAlibaba Cloudの方が中国での構築運用に実績があったので採用しました。
Alibaba Cloudを採用することが決まった時、実のところは心配でした。高島屋は185年の暖簾の重みを大切にしているので、私たちにとって、お客様にサービスが提供出来なくなるということはあってはならないことだという意識があります。しかし、このサイトはECではなく決済機能もありません。ましてやミッションクリティカルである必要もまったくない。リスクの度合いとサイトの目的を天秤にかければ、ターゲットとしている中国で一番支持されているクラウドを採用することが良いのではないかと考えました。提案の際は、AWSをはじめ他のサービスを採用した場合と、何のリスクがあるのかコストも含めて全て書き出した星取表を作り、クライアントの心配も払拭することが出来ました。
導入効果
「確認します」でコミュニケーションが断たれること無く、日本と中国が連携対応
「マネージドサービス」の導入効果について教えてください。
とにかくスピーディー且つ真摯に対応いただけました。一番安心できたことは、「確認します」でコミュニケーションが断たれることが無く、オンラインで日本語に精通した現地の方と、問題点や質問をリアルタイムに連携対応していただけたので、とても助かりました。
特に、システムに関するやり取りは、知見の無い人と、そこそこ知見がある人と、本当に分かっている人の三者で伝言ゲームをしていると、途中で内容が変わってしまうことがよくあります。今自分が不安に思っていることに対して、ちゃんと浅尾さんも譚さんも答えてくださって、しかもそこに行き違いが全くない状況で進んでいくので、とても信頼できました。
また、中国国内でWebサイトを開設する際に必要となる事前申請手続き「ICPライセンス」の取得を手伝っていただけたことも、とても助かりました。「ICPライセンス」については、クライアントに説明する必要があったのですが、当初協力いただいていたお取引先にお任せしたっきり、「ICPライセンス」に関しては社内で誰も知見がありませんでした。クライアントにしっかりと説明できるよう、譚さんに非常に丁寧で詳しい資料を作っていただけたので、とても助かりました。コンペで他社は「ICPライセンス」について触れていなかったので、その辺りでも他社との差別化をすることが出来ました。
「Alibaba Cloud」の導入効果について教えてください。
Alibaba Cloudの採用について、最初は心配しましたが、今のところ問題なくサービス提供ができています。
要望と期待
スカイアーチネットワークスへの要望や期待があればお聞かせください。
インバウンドのご相談があったときは、浅尾さんにお尋ねすると思います。今回利用したようなインバウンド向けのサービスをHPに分かりやすく載せられると、気軽にご案内できて良いと思います。
システムやクラウドの話になると、分からない人は分かる人に一任してブラックボックスになってしまいがちなんですよね。しかし、それはやってはいけないことで、今回スカイアーチさんに協力いただいたように、疑問や懸念をひとつひとつ解決して、自分で納得して進めることが大切だと思っています。